アメリカやヨーロッパの各地で親しまれているキャロットケーキ。もともとはキャロットケーキはもイギリスのお菓子。まだ砂糖が貴重だった時代に、お砂糖の代わりとして甘い人参を用いたことが始まりとか。たっぷりのすりおろし人参、くるみ、レーズンを加えた、オイルベースのケーキは軽い食感でとてもヘルシー。家庭で手軽に作れるのも人気の理由です。新緑の香る気持ちの良い季節、行楽のおやつにもオススメです。
パウンドケーキなどバターをベースとしたケーキは、気温や混ぜ方によってバターが分離したりと気をつかいます。キャロットケーキのようなオイルで作るお菓子は、どんな季節にも作りやすく、順番に混ぜていくだけなのでとても手軽です。と言っても、美味しく作るにはちょっとしたポイントが仕上がりを左右します。1つは人参のすりおろし方。大根おろしなどでおろしてしまうと繊維が潰れて水気が出てしまいます。水気が出てると、ケーキがふわっと仕上がりません。水気を出さないように細かくするのがポイント。私はチーズおろしで擦っています。そして、もう1つのポイントは生地の混ぜ方。バターはもともと空気を含んで作られていますが、オイルは液体なので、そこに材料を混ぜるだけだとぎゅっと締まった重い仕上がりになってしまいます。ハンドミキサーを使って、生地に空気を含ませるとふわっとやわらなか食感に仕上がります。
パイ生地にチーズ入りの卵液を流して焼いたキッシュ。今ではほうれん草やサーモン、マッシュルームなど季節や地方ごとに様々なバリエーションで楽しまれています。もともとはフランス北西部、ドイツに隣接したロレーヌ地方が発祥。キッシュ ロレーヌはグリュイエールチーズとベーコンが伝統の組み合わせです。大きなパイ皿にたっぷりのフィリングを入れて作るのは手間も時間もかかるので、私は小さな型でさっと作ります。友人たちを呼んでの集いの時など、パイを敷きこみ、フィリングを準備して、みんなが集まってからオーブンへ。焼きたてのアツアツのキッシュが喜ばれます。
キッシュに使うグリュイエールチーズは牛乳から作られるスイスのチーズ。フォンデュやラクレットとしても食されています。フランスでも一般的でキッシュだけでなくグラタンやクロックムッシュなどにも使われます。美味しいチーズ、卵、生クリームを揃えることはもちろんですが、キッシュを美味しく作るポイントは、実は玉ねぎの炒め方。たっぷりのバターで焦げ目をつけずに、ゆくっくりと甘みが出るまで炒めます。そのまま冷ましてフィリングに加えると、生地に馴染み、玉ねぎの甘みが美味しさを引き立てます。