un pur..(cooking+cake-ing)

manthly class

Manthly Class | DECEMBER 2015

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Gâteau neige|ガトーネイジュ

<Gâteau neige>はフランス語で「雪のお菓子」。
卵黄は入れず卵白だけでつくるので、切り分けると真っ白な生地があらわれます。
材料はとてもシンプル。バター、卵白、お砂糖、薄力粉、そしてバニラエッセンスを少しだけ。
表面はさっくり、中はしっとり。口の中でふわっと甘さが広がって儚く消える、まるで雪のようなお菓子です。

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ガトーネイジュのポイントはメレンゲ泡立てです。
冷やした卵白に砂糖を少しずつ加えてつくるメレンゲ。いつもは「泡立てすぎると離水してしまうので、その一歩手前。ハンドミキサーの羽を持ち上げて手前はしっかり、先はちょっと垂れるくらい」とお伝えしています。しかしガトーネイジュのメレンゲはたっぷりと泡立てるのがポイント。長く長くハンドミキサーをかけていると、メレンゲが締まってきて重く感じる瞬間があります。仕上がりはイタリアンメレンゲのようにツヤツヤに。どうしてこんなにまぜてよいかというと、理由はお砂糖の量です。通常の倍ほどのお砂糖を加えるので、離水せずしっかりとしたメレンゲが仕上がるというわけです。お菓子やお料理は「ココ!」という瞬間の見極めがとても大切と感じています。シンプルなお菓子ほど1つひとつの作業によって仕上がりに大きな差が出るので、面白いものです。

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Coconut bavarois|ココナッツババロア

ココナッツの香り、とろっと口の中でとろける食感。梅雨の季節におすすめのババロアです。
ムースに人気を奪われて以来あまり見かけなくなったババロアですが、bavaroisとはフランス語で「バイエルンの」という意味。フランスのシェフがドイツの貴族のためにつくったという、由緒正しき銘菓です。 しっかりと泡立てた生クリームとメレンゲを合わせるムースに比べて、5分立ての生クリームをフィリングに加えてつくるババロアは実はとても贅沢なお菓子なのです。
とはいうものの、やっぱり子供の時にお母さんがつくってくれたような懐かしさ漂うお菓子。ついかわいいゼリー型でつくりたくなってしまいます。

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「ハワイのお土産です」といって無造作なビニール袋に入ったココナッツをいただきました。袋を開けた途端、今まで経験したことのないなんと深い香り、実もとてもしっかりとしています。話によるとこのココナッツは、ハワイのオーガニックの島と呼ばれるカウアイ島で量り売りで売られているものでした。すぐに思い浮かんだのがババロア。この香りを存分に味わいたいと思ったのです。
本来はオーガニックであることが自然な形の野菜や果物。ココナッツ本来の香りにうっとりとしてしまいました。

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Coconut white chocolate cookies|ココナッツホワイトチョコレートクッキー

ココナッツババロアは牛乳にココナッツ入れて沸騰させ、香りを移したら取り除いてしまいます。残ったココナッツはババロアでの役目を終えましたが、捨ててしまうのはもったいない。貴重なカウアイ島のココナッツとなればなおさらです。家庭でつくるお菓子は材料も無駄にしないことが大切と思っています。今回は水気を取ったココナッツを空焼きして、まぜて丸めて焼くだけ。簡単な半生タイプのアメリカンクッキーに。ココナッツはホワイトチョコレートとの相性抜群。なんと美味しい副産物!2次使用の材料を使うお菓子は、手軽にがいちばんです。

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