レモンの旬は1月〜3月頃。旬の終わりが近づくにつれ、その実は大きく熟し、果汁もたっぷり携えます。春の訪れを感じるこの季節に作りたいのはやはり酸味のきいたタルトレット オ シトロン、レモンタルトです。サクッリと焼いたタルト生地に、香り豊かなレモンカスタードを詰めて、さらにイタリアンメレンゲをのせてバーナーで焼き目をつけました。いつもより少し手をかけて、春にぴったりの華やかなデザートに仕上げました。
タルトレットは小さく焼いたタルトのこと。タルト型はいくつか持っていて、用途や仕上がりイメージによって使い分けています。中でもタルトリングは、スタイリッシュな形でとても好きな型の一つ。天板にリングを並べ、タルト生地を敷き込んで使います。型の底がないので、生地が直接天板にあたり、しっかりと焼けるのが特徴です。焼き目の美味しさも焼き菓子の味わいの一つです。
レモン果汁をたっぷりと入れて炊き上げるレモンカスタード。最後にレモンの皮をすりおろして加えると、爽やかな香りがより引き立ちます。レモンタルトだけでなく、サブレに挟んだり、生クリームと合わせたレモンクリームでロールケーキにしたり、ムースにしたり、トーストに塗っていただくのもおすすめです。レモンの旬の時期に多めに作って、様々な用途で楽めるクリームです。
マカロンというと、ピンクや緑、黄色、カラフルで可愛らしいお菓子をイメージですが、実はとても古くからフランスで親しまれているお菓子です。私たちがよく知るマカロンは近年パリで作られたお菓子でマカロン・パリとも呼ばれます。そのもととなったお菓子はアーモンドパウダーに蜂蜜や卵黄を加えて、卵白で固さを調整して焼き上げた素朴なマカロン。フランスには地方ごとに様々なマカロンがあり、その中でも フランス北部のピカルディー地方の古都アミアンの<マカロンダミアン>と、ロレーヌ地方ナンシーの<マカロンドナンシー>が有名です。アーモンドパウダーをたっぷりと使うマカロンダミアンは、見た目こそ朴訥ですがとても贅沢なお菓子。嚙みしめるごとに華やかな風味が広がるお菓子の原点を感じる味わいです。